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資産運用のよくある質問に答えました

資産運用のよくある質問について、できる限り簡潔に答えました。

あくまで個人的な考えです。人によって違う考えもあると思いますのでご了承ください。

目次

資産運用はした方がよいのでしょうか? 貯金だけでは駄目でしょうか?

した方がいいと思います。

貯金だけでも駄目ではないですが、将来お金で困りたくないのなら資産運用もすべきです。

資産運用がどの程度必要かを簡単に例えると、「健康のためには適度に運動をした方がいい」と同じレベルです。運動しなくてもそれなりに生きていくことは可能ですが、より健康で長生きしたいなら適度な運動をした方がいいです。それと同じです。

貯金だけでもそれなりに生きていくことは可能ですが、より金銭的に有利な人生を送りたいなら資産運用をした方がいいです。

資産運用の仕方を教えてください

NISA口座で全世界株式のインデックスファンドを買いましょう。

さらに余裕があれば特定口座でも買いましょう。

一度買ったら、お金が必要になるまでは売らずに保有しましょう。お金が必要になったら売ってください。

リスク資産と無リスク資産とは何でしょうか? どんな資産を保有すればよいでしょうか?

予測できない不規則なリターンの変動をリスクと捉えたときに、リスクのある資産をリスク資産、リスクのない資産を無リスク資産と呼びます。

リスク資産としては全世界株式のインデックスファンドを保有すればいいと思います。

無リスク資産としては銀行預金を保有するか、確実に長期間使わない場合は個人向け国債を保有すればいいと思います。

なぜ全世界株式のインデックスファンドなのでしょうか?

現代ポートフォリオ理論に基づいて検討すると、最も資産運用の効率がいいからです。

現代ポートフォリオ理論について簡単に教えてください

シャープレシオ(期待リターンをリスクで除したもの)が最もよいポートフォリオが、資産運用の効率が最もよいという理論です。

この理論に基づくと、シャープレシオが最もよいポートフォリオを無リスク資産と組み合わせることで、最も効率のよい資産運用ができます。

効率のよい資産運用とはどういうことですか?

自分が求める期待リターンを得られる中で、最もリスクの小さい資産運用のことです。

シャープレシオが最もよいポートフォリオとは何ですか?

CAPMという理論に基づけば、市場ポートフォリオであると結論づけられています。

市場ポートフォリオとは、世界中のあらゆる資産を組み合わせたポートフォリオという想定です。

現実に投資可能なものとしては、全世界株式のインデックスファンドが市場ポートフォリオに近いものと考えます。

CAPMは理論としては正しくても、現実はどうなのでしょうか?

CAPMが様々な前提を置いた理論であるのは事実です。

極端な話として、株式や債券、コモディティなど、この世界に存在するありとあらゆる資産の期待リターンとリスク、相関係数が特定できれば、シャープレシオが最もよいポートフォリオを計算上明らかにすることは可能です。

しかし、各資産の期待リターンやリスク、相関係数を特定することは極めて難しい作業であり、過去のデータを用いて推定することも容易ではないという見解が一般的です。また、期待リターンなどは不変ではなく、社会情勢等によって変化し得るものと考えられます。

過去のデータを見ると、全世界株式よりも米国株式の方がリターンが優れているように感じますが、米国株式だけに投資するのは駄目なのでしょうか?

当然のことですが、どんな状況であれ、常に全世界株式より優れたリターンを残している〇〇国株式があります。

例えるなら、クラスで一番足が速い人のタイムが、クラス平均のタイムより早いのは当たり前です。

問題は、クラスで一番足が速い人が、将来に渡ってずっと一番であり続けるか、ということです。

リスク資産と無リスク資産の割合はどのように決めればよいでしょうか?

リスク資産が仮に半分になったとしても困らない程度の割合にするのが無難だと思います。

理論上は、各資産の期待リターンやリスク、相関係数が分かれば、自分が望むリターンを生み出す可能性が最も高いリスク資産と無リスク資産の割合を計算することは可能ですが、各資産の期待リターンやリスク、相関係数を特定することは極めて難しいのが現実です。

リスクが高くても、長期投資すれば期待リターンに収束していくと思います。大事なのは期待リターンだと思うのですが、どうでしょうか?

リスクが高くなるほど、長期的には期待リターンからかけ離れた結果が導かれます。

宝くじを毎日買うのと、宝くじの代金分を毎日貯金していくのと、どちらの方がお金が貯まると思いますか。前者の方がお金が増えるのは、宝くじが当たったときだけです。

REIT(リート)にも投資した方がよいですか?

全世界株式のインデックスファンドは、REITも投資対象に含んでいます。

よって、別にREITに投資する必要はないと考えます。

債券にも投資した方がよいですか?

個人投資家レベルでは基本的に不要と考えます。

債券は、一般的に株式と比べて期待リターンが低いがリスクも低く、穏やかなリターンを得られる資産という特徴があります。また株式との相関も低いため、うまく組み合わせることでポートフォリオのシャープレシオを改善することが期待できます。

ただし、債券をポートフォリオに組み込むことでシャープレシオを改善したとしても、期待リターンそのものは低下してしまうため、十分なリターンを得るためにはレバレッジを活用することが必要になります。しかし個人投資家にはレバレッジを自由にかけることが難しいため、シャープレシオの改善効果を活かすことができません。

以上の理由から、債券に積極的に投資する必要はないと考えます。ただし、必ずしも高いリターンを必要としないシチュエーション、例えば資産運用の終期や、運用額が比較的大きくなった場合などは、債券投資が有効になる場合もあると思います。

コモディティ(商品や金など)にも投資した方がよいですか?

個人投資家レベルでは不要と考えます。

株式は配当金、債券は利子というリターン(インカムゲイン)を生みます。一方、コモディティはそれ自体はリターンを生みません。値動きにより生じるリターン(キャピタルゲイン)だけです。したがって、長期投資の対象としては株式や債券に劣るものと考えます。

暗号資産(ビットコインなど)にも投資した方がよいですか?

不要と考えます。理由はコモディティと同じです。

分散投資はリスクを下げると聞きました。債券やコモディティ、暗号資産などに分散投資するのはリスクを下げる効果があるのではないでしょうか?

リスクを下げたいなら無リスク資産の比率を上げればいいだけです。

分散投資によってリスクが下がったとしても、それによって期待リターンも下がったとしたら、必ずしも効率的な資産運用とは言えません。リスクが下がるかどうかだけでなく、シャープレシオを見るべきです。

無リスク資産の比率を上げることで、シャープレシオを維持したままリスクを下げることができます。

iDeCoはやった方がよいでしょうか?

公的年金だけで不足を感じるならやった方がいいです。

日本には公的年金制度(国民年金、厚生年金)があり、3つのリスク(老齢、障害、死亡)がカバーされています。iDeCoも同様にこの3つのリスクをカバーする個人年金制度ですので、公的年金だけで不足を感じるのであれば利用を検討する価値があります。

反対に、公的年金だけで十分と判断するのであれば、あえてiDeCoを利用する必要はありません。

資産運用をしたくても、余剰資金がありません。どうしたらよいでしょうか?

少額からでも資産運用は始められます。

少額でも資産運用に回すお金がないということなら、それは運動したくても余暇時間がありませんという悩みと一緒です。

節約して資産運用に回すお金を捻出するか、収入の増加を目指すべきです。

今、欲しい物があります。今すぐ買うべきか、資産運用でお金を増やしてから買うべきか、どちらがよいでしょうか。

厳密には期待リターンの確率分布で考えるべき問題ですが、ざっくりと言うなら、残念ながら、必ずしも資産運用でお金が増えるとは限りませんし、お金が増えるまでにかなりの時間を要する可能性もあります。お金は必要なときに使ってこそ価値があります。欲しい物があるなら、今買っても全く問題ないです。

ただし、無駄遣いはよくないので、本当に欲しいもの、買うべきものかは吟味した方がいいでしょう。「資産運用でお金を増やして『から』買うんだ」という考えはあまり意味がない、ということです。

資産運用を始めたのですがなかなかお金が増えません。むしろ徐々に減っています。大丈夫でしょうか?

健康的な生活を始めても、運悪く病気になることもあります。でもそれは、健康的な生活が悪影響を与えているわけではないでしょう。そうであれば、健康的な生活を続けることは意味があります。

資産運用の仕方が正しければ、それがお金が増えない原因ではありません。確認すべきことは、あなたの資産運用の仕方が間違っていないかどうかで、そこに問題がなければあとは運の問題でしょう。

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